更年期・自律神経失調症

●更年期障害
女性が性成熟期から老年期へ移行する時期を更年期といい、閉経期前後の45〜55歳である。
この時期に多くみられるさまざまな不定愁訴症候群をいう。更年期になると、卵巣の老化にともない、卵巣ホルモン(エストロゲン)の分泌が減少するなどして自律神経系の働きがみだれ、さまざまな失調症状がでてくる。
そして、平均50歳で生殖機能を消失する閉経をむかえたあとも、数年間つづくことが多い。
一方、この年代は、子供の成長や親の死などといった家庭環境の変化、夫婦間のトラブル、体力の減退、老後に対する不安などからくるストレスや悩みも多く、このような心理的背景が更年期障害の誘因になることも少なくない。

不定愁訴としては、発汗、熱感(ほてり)、冷え症、のぼせ、動悸などの血管運動神経障害、頭痛、頭重感、めまい、不眠、憂うつなどの精神神経障害、しびれ感、神経過敏などの知覚系障害、頻尿、排尿痛などの泌尿器系障害、腰痛、関節痛、肩こりなどの運動器系障害など、多岐にわたる。
いずれも自覚症状のみで、検査では異常がみとめられないのがふつうである。このため更年期症状の診断には、もっとも訴えの多い11の自覚症状を数値的に表現したクッパーマン指数(更年期指数)がつかわれることもある。これらの不定愁訴は、更年期の女性のほとんどにあらわれるが、感じ方や症状の程度は個人差が大きい。

●自律神経失調症
自律神経 とは
自分の意思とは無関係に、気温の変化やストレスなど外部からの刺激や、内部の刺激に反応して、体内の機能を調整する働きをしています。走ると「ハーハー」と激しく息をして、心臓がドキドキしてくるのは、この神経によって呼吸や心臓の動きが速くなるためです。

自律神経は、内臓、血管、ホルモン分泌などあらゆる気管をコントロールしている、とても大切な神経なのです。

自律神経は、大脳の視床下部にあります。ここには他に、女性ホルモンをコントロールする中枢、感情をコントロールする中枢があり、このうちどれか1つでもトラブルが発生すると、他の中枢にも影響を与えてしまうのです。

自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の相反する働きをする神経が存在し、この2つの神経がお互いにバランスを保ちながら体内の働きを調整しています。
気温の変化、社会環境・家庭環境の変化、人間関係からくるストレスなど、外からの刺激を長時間受けると、自律神経が体を守ろうとするため、「交感神経」と「副交感神経」のバランスが崩れてしまうことがあります。そのため「頭痛、めまい、動悸・・」などいろんな症状が出てきまます。しかし、病院で検査をしても何も異常が見られない場合、「自律神経失調症」と診断されます。

女性に「自律神経失調症」が多いのは、思春期や更年期、出産後などホルモンの変調が自律神経に大きな影響を与えるためです。自律神経失調症と診断されている人は、全国で約64万人で、そのうち女性が約75%なんだそうです。

ストレスが自律神経失調症に与える影響
なぜストレスが過剰に作用すると自律神経が失調するのでしょうか。それは自律神経が交感神経と副交感神経のバランスで調節されていますが、ストレスが大きくなると常に交感神経だけが働くという異常な状態になるからです。下記の四つの点が自律神経にどのような影響するかを考えてみましょう。

(1)平穏・休息
交感神経と副交感神経がバランス良く働く。

(2)持続的な不安・緊張・怒り・興奮
交感神経と副交感神経の両方がバラバラに興奮する。

(3)驚き・突然の恐怖・激しい怒り
交感神経が極度に興奮する。

(4)失望・抑うつ・憂うつ・悲哀・疲弊状態
交感神経と副交感神経の両方の働きが抑えられる。



●治療・予防法

●更年期障害:
近年、更年期障害の治療として、エストロゲンを注射・内服などで補充する、エストロゲン療法がよくおこなわれるようになってきた。またエストロゲンの減少・衰退は、骨粗鬆症、動脈硬化などの成人病の危険因子になることがわかってきて、それらの予防にも役だつとされる。心因性のものについては、精神安定剤などの投与や心理療法などが有効なこともある。漢方薬も、多様な不定愁訴に対処できるのでよくつかわれる。

●自律神経失調症:
交感神経と副交感神経がバランス良く働くように心掛けることも大切です。どんな場合にバランスを崩すでしょうか。下記の四つの例を考えて見ましょう。

(1)平穏・休息
交感神経と副交感神経がバランス良く働く。

(2)持続的な不安・緊張・怒り・興奮
交感神経と副交感神経の両方がバラバラに興奮する。

(3)驚き・突然の恐怖・激しい怒り
交感神経が極度に興奮する。

(4)失望・抑うつ・憂うつ・悲哀・疲弊状態
交感神経と副交感神経の両方の働きが抑えられる。

一般的な治療としては、
1:夜型から朝型の生活リズムを取り戻す

活動のための交感神経と、休息のための副交感神経のバランスを取り戻すために、夜に寝て、朝起きるという生活のリズムを整えるように努める。少しずつでも毎日30分でも早く寝て、起きることを繰り返して、徐々に夜型の生活から脱するようにしましょう。

2:寝る前に気持ちを落ち着かせる
寝る前に自分をリラックスさせる音楽を聴くとか、ぬるめのお風呂にゆっくりと入るなどして気持ちを静める工夫をする。

3:運動をする
気分転換ができる、体の緊張がほぐれる、精神が解放されるなど、スポーツの効用は計り知れません。しかし、義務感や成績にとらわれるとストレスの原因にもなるのでご用心。忙しい人は、昼休みなど自由な時間に軽い体操や散歩をするように心がけましょう。

4:栄養バランスの整った食事を心がける
たんぱく質と糖質を組み合わせて摂取すると、精力的に活動するためのエネルギーになります。
何と言っても「食が基本」。まずは三食を規則正しくとる習慣を身につけましょう。特に朝食は大事。ビタミン、鉄分、カルシウム、食物繊維といった栄養素は現代人に不足しがちなので気をつけましょう。逆に糖分の取りすぎには注意。ミネラルやDHA(DHAとは正式名称ドコサヘキサエン酸とよばれる脂肪酸です。 主に魚に多く含まれていて、その中でも、マグロ、カツオ、イワシ等に特に多く含まれています。DHAは必須脂肪酸の一種ですが人間はDHAを体内で作ることができません。よってDHAは食べ物からとるしかありません)には神経を平常に保つ機能があるので意識的に摂るようにしましょう。

5:自己暗示の訓練
特にストレスを受けやすい仕事の場。何かに挑戦するときは「きっとできる!」と前向きな暗示を自分にかけるようにします。かといって、うまくいかないときに自分を責めず「時間が解決してくれる」と考えるようにしましょう。うまくいったときは「よくやった!」と自分をほめることも大切です。

6:心療内科や精神神経科で治療を受ける
自律神経失調症はメンタルな面での影響も大きいです。
心療内科や精神神経科で診察を受け、抗不安薬や自律神経調整薬を処方して貰いましょう。
自律神経失調症に効果のある漢方薬を服用するのもお勧めです。

ローヤルゼリーに含まれているアセチルコリンの効果性:アセチルコリンの原料は、花粉に含まれるイノシトールから作られます。 体内では、神経上を流れる電流の役目を果たし、これが大量に含まれるローヤルゼリーが自律神経失調症やボケの防止・予防に役立つものと期待されます。